Free eBook, AI Voice, AudioBook: 法螺男爵旅土産 (Horadanshaku tabimiyage) by Kuni Sasaki

AudioBook: 法螺男爵旅土産 (Horadanshaku tabimiyage) by Kuni Sasaki
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法螺男爵旅土産
佐々木邦譯
暴風と胡瓜の樹の話
拙生の髯が丁年到達の宣言をする以前、もつと碎いて申せば、最早子供でもなく、さりとて未だ大人でもない頃、拙生は世界観光の渇望を口癖のやうに洩らしてゐた。ところが待てば海路の日和とやらで、父はセイロン島への航海に拙生の隨伴を御許可になつた。セイロン島には父の叔父に當る人が、知事として最早長き事居る。 我等はホルランド王室の國書を奉戴してアムスターダムに纜を解いた。此航海中一寸記載の價値あるのは暴風の起つた事である。それが尋常一様の暴風でなく、我等が薪水を取込みに碇泊してゐた島の、高樹大木を根拔にした。啻に根拔にしたばかりでない。其中には何噸といふ重量のがあつたけれど、それが風に攫はれて、果ては宛然空中漂ふ小鳥の羽毛のやうに見えた。少くとも海拔五哩の所に達したのであらう。そして暴風が止むか、止まないに、其木が夫れ 舊の所に垂直に落ちて再ひ根を張るには拙生も一驚を喫した。しかし一番大奴は空中吹上られた時、其枝に木訥な百姓の老夫婦が乗合せてゐた。乗合せてゐたといふと馬車か何かのやうだが、實は胡瓜を把つてゐたのである。世界も此地方になると日用の靑物、皆木に實つてゐる。さて此夫婦の體量が幹の衡平を失はせたから、大木は平たく地上に落ちて、折から通合せた島の首領を即座に壓殺して了つた。首領は大木が屋根に落ちて、家ぐるみ潰されてはならぬと思ひ、少時戸外を徘徊して、大分木も降り止むだからと、今し庭園を通つての歸途に運よく腦天を打たれたのである。此運よくといふ文字は聊か說明を要する。といふのは此首領といふのは島一體の鼻摘みで、獨身者であつたが、其一人の貪慾と壓制の為めに良民は殆んど食ふや食はずの憂き目を見てゐたのである。 此惡漢の捥取た財貨は空しく倉の中で唸つてゐるのに、奪はれた貧乏人は飢寒に泣くといふ有樣であつた。此暴君の没落は全《ま》つたく偶然であつたが、縱令怪我の功名にもせよ、兎角壓制者を退治してくれたのだからと、人民は感恩の表示に胡瓜取夫婦を戴いて知事にした。 我等は此暴風中に被つた破損を修繕して、新知事及令夫人に別れを告げ、目的地に向つて順風に帆を揚げた。 それから約六週間にして我等はセイロン島に着き、其處で鄭重な歡迎を受けた。次の珍奇な冒險は多少興味を惹くであらう。
獅子と鰐の話
セイロン島に滯在する事二週間ばかりの後、或日拙生は知事の弟に連れられて、鐵砲打に出かけた。 巨大な湖が拙生の注目を惹いた。其岸近く來ると、何か背後にガサ する音が聞えたと思つて、振返
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