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AI音声オーディオブック:入れかわった男 (Irekawatta otoko) E. Phillips Oppenheim著

オーディオブック:入れかわった男 (Irekawatta otoko) E. Phillips Oppenheim著

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オーディオブックを聴く:入れかわった男 (Irekawatta otoko) E. Phillips Oppenheim著

入れかわった男

第一章

大事件の発端となるあの災難は、エヴェラード・ドミニーが小一時間も低木の藪を押しわけ、細く渦巻きながら立ちのぼる煙をめざし、子馬に最後の絶望的な努力をしいて巨大な夾竹桃の茂みを通り抜け、前のめりに頭から小さな空き地へ転落した時点にはじまる。翌日の朝、気がつくと、彼は数ヶ月ぶりにリンネルのシーツに包まれて、キャスターつきのベッドに横たわっており、過酷な太陽と彼のあいだには、涼しげな竹で編まれた屋根があった。彼はベッドの上でわずかに身体を起こした。

「いったいどこなんだ、ここは?」

バンダの入り口に胡座をかいていた黒人少年が立ちあがり、何事かをぶつぶつとつぶやいて出ていった。すぐに上背のある、痩せたヨーロッパ人が、一点の染みもないまっ白な乗馬服に身をつつみ、入り口をくぐってドミニーのそばにやってきた。

「ご気分はよろしいですか?」彼は丁寧に尋ねた。

「ああ、いいよ」と彼はやや無愛想に答えた。「ここはどこなんだ?それに君は誰だい?」

新たにあらわれた男はむっとした表情を浮かべた。彼の物腰には威厳があり、口調にはいくぶん非難がこめられていた。

「ここはイリワリ河から半マイルも離れていない、と言えばおわかりになりますかな。ダラワガ入植地から七十二マイルほど南東です」

「何だと!じゃあ、ここはドイツ領東アフリカなのか?」

「その通りです」

「すると君はドイツ人なんだな?」

「ドイツ人であることはわたしの誇りです」

ドミニーは軽く口笛を鳴らした。

「不法侵入したことは深くお詫びする。ぼくはマーリンシュタインを二ヶ月半前に出発したんだ、土地の者二十名と、貯えをたっぷり持ってね。ぼくらはライオンを追いかけて長い狩猟の旅をしていた。アフリカ人新兵も何名かいたのだが、そいつらが面倒を起こした。ある晩、やつらは食料の貯えを分捕ろうと騒ぎを起こしたんだよ。ぼくは二人ほど銃で撃たざるを得なかった。しかしおかげで他の者がみんな逃げてしまった。いまいましいことにコンパスを持ち逃げされ、思っていた方向から百マイル近くもそれてしまった。飲み物をもらえないかな?」

「医師の許可があれば喜んで」慇懃な答えが返ってきた。「ここに来たまえ、ジャン!」

少年が飛び起き、現地の言葉で発せられた二言三言の短い命令を聞くと、垂れさがった葉のとばりを抜けて、別の小屋へと消えた。二人の男は並々ならぬ関心をこめて視線を交わした。ドミニーが笑った。

「君が何を考えているか、ぼくには分かるよ。君が入ってきたときはぎくっとした。ぼくらは恐ろしいくらいそっくりだな」

「確かに非常によく似ていますね」と相手は認めた。

ドミニーは片手を頭の下にあてがい、主人の顔をしげしげと眺めた。容貌の類似は一見して明らかだったが、どこをとっても分があるのは、簡易ベッドの脇で腕組みして立っている男のほうだった。エヴェラード・ドミニーは生まれてから二十六年間、彼の地位にあるごく普通の英国人青年と同じように生きてきた。イートン、オックスフォード、数年間の軍隊生活、すでに負債を抱えた地所をますます望みのない泥沼に陥れただけの都会暮らし。そして数ヶ月のあいだ悲劇に翻弄されたあとは無為徒食の日々。その後の十年間、最初は都会を巡っていたが、ふとアフリカの奥地にさまよいこみ――それからの歳月のことは誰も知らない。十年前のエヴェラード・ドミニーは確かに美男子だった。今や整った顔立ちこそそのままだが、目は輝きを失い、身体から弾力は失せ、口元は締まりがなかった。熱病と不摂生に蝕まれ、いかにも若くして盛りを過ぎてしまった男の風貌だった。しかし目の前の相手は違う。面立ちは彼と同じように整っていて、似てはいるが、いっそう精力的だった。目は燦めき、情熱に燃えている。引き締まった口と顎は、彼が行動の人であることを示し、上背のある身体はしなやかで敏捷だった。体調は万全、精神も肉体も完璧な状態にあり、表情にほんのわずか重苦しさがあったが、威厳を持ち、それなりに満足を感じながら生きている男の風格があった。

「そうだな」英国人はつぶやいた。「確かに似ている。健康に注意していたら、もっと似ていただろう。でもしなかった。それが問題なのさ。ぼくは逆の方向につっぱしった。自分の人生に見切りをつけようとして、もうちょっとでそれに成功するところだった」

枯れ草のとばりが一方に押しのけられ、医師が入ってきた。小柄なまるまるとした男で、やはり染み一つない白い服を身につけている。髪は金髪で、厚い眼鏡をかけていた。同国の男がベッドを指さした。

「病人を診て、必要なことを指示してやってくれないか、先生。飲み物がほしいそうだ。ワインでも何でも身体にいいものをさしあげてくれ。充分回復したら、われわれの晩餐に同席していただこう。では失礼します。報告書を書かなければならないので」

ベッドの男は頭を巡らし、目にかすかな羨望の色を浮かべて相手の後ろ姿を見つめた。

「ぼくの命の恩人は何という名前なんだい?」彼は医師に尋ねた。

医師はその質問が無礼であるかのような顔をした。

「陸軍少将レオポルド・フォン・ラガシュタイン男爵様です」

「そんなに長いのか!」とドミニーはつぶやいた。「総督か何かなのかい?」

「植民地領陸軍司令官です。特別の任務も受けて、この地におられるのです」

「ドイツ人にしては、やけに男前だな」ドミニーはよく考えもせず横柄な口をたたいた。

医師は平然としていた。彼は患者の脈を取っていた。数分後、診察は終わった。

「最近、ウイスキーを飲み過ぎていませんか?」

「それが君と何の関係があるのか分からんが」ぞんざいな返事だった。「しかし飲めるときはいつも飲んでいる。この胸くそ悪い気候のなかで誰が飲まずにいられるんだ!」

医師は頭を振った。

「対処法さえ間違えなければ、ここの気候は悪くないです。閣下はライトワインとセルツァー炭酸水しかお飲みになりません。ここに来て五年、いや、ここだけではなく、沼沢地にもいらっしゃいましたが、病気一つしたことがありません」

「ぼくは死にそうになったことが十回以上ある」イギリス人はいささか投げやりな調子で言った。「いつ死んだってかまやしないんだが、そのときが来るまで飲めるウイスキーは飲みつづけるつ

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